堅木屋の仕事
材木屋の仕事は材木素材の販売がメインだと思われがちですが、それだけではありません。当店の場合を例に御紹介いたします。
一般には「材木屋って店先に並べられた材木を売ってるだけなんでしょ」とお思いの方は多いのではないでしょうか。でも今の時代それだけで成り立つ楽な商売はありません。工夫あり、努力あり、様々なお客様のニーズに応えるためには多くの仕事をこなしています。
当店の場合、堅木(広葉樹)専門という事もあってお客様も様々です。工芸家、家具職人、木工職人、学生さん、木工を趣味とする愛好家、木の研究施設、etc…
お客様の要求は様々で、その嗜好や求める木質、サイズ、歩留まりなど、なるべく要求に忠実に応えるべく奮闘しています。
その中でも特に杢の材や希少材をお求めのお客様の対応は堅木屋にとって力の入る所です。殊に杢の材は程度の差が大きく、表面に杢が出ていても製材すると消えてしまう事も良くあります。希少材も程度の良い材は少ない場合が多く、傷や欠点を避けて製材で良い部分が取れるか頭を悩ませます。
この日は島桑(御蔵島産)とケヤキを注文で製材しましたが、桑は芯掛かりで木表には節穴が開いていました。(サイズ 1,200 × 350 × 90mm) 木裏をナメて(基準面を作る)2枚割りにしましたが思った程酷くはなかったです。
ケヤキは古い在庫で根杢で面白い杢が出るとは思いましたが、白太が多くピンホール(虫食い跡)が気になりました。(サイズ 1,000 × 300 × 90mm)
こちらは木表を軽くナメて3枚割りにしましたが、杢は面白かったのですが、ピンホールが多く少し残念でした。
使えない材は不良在庫となり、倉庫に積みあがっていきます。この在庫達がいつの日か求められる人の元へ巣立って行く事を願って、今日も奮闘の日々です。