災害避難所
「天災は忘れた頃にやって来る」 物理学者で防災にも足跡を残した寺田寅彦の言葉ですが、2011年の東日本大震災の記憶も薄れてきてはいないでしょうか?
首都直下型地震の発生確率が今後30年で70%と言われています。これは過去の大地震のデータを基に予想されていますが、私も含め多くの方が漠然とした危機感しか持たず、差し迫った脅威と考えている方は少ないのかなと考えてしまいます。
震災後に立ち上げた地域の避難所開設・運営訓練は当初は参加人数も多く熱意もありましたが、年々参加者も減少し、またその内容もマンネリ化し(同じ内容を繰り返し行い練度を高める事は大事ですが)どこか活気が無くなって来ていると感じています。それでも訓練を継続して行う事は危機意識を持ち続けるためには必要な事です。
今年も避難所訓練を2月9日(日)に地域の小学校で行いました。新型肺炎の影響で参加者は多くはないかなと思っていましたが、全体で70名程の参加者でした。内容は小グループ毎に案内役が付き、防災倉庫の見学等、校舎内、体育館を案内して回ります。
また、教室内の一人分の避難スペースや(段ボールで仕切られた部分)トイレの確認を見て回ります。
体育館では組み立て式テントトイレやペットケージの展示、DVDの上映を行います。
この避難所開設訓練は内容も決まったものを繰り返す事が多く、その為マンネリ化が言われます。そこで今年は新しい内容を考えチャレンジしてみました。それが寸劇によって、災害時に考えられる混乱の場面や問題点を再現して見てもらう事です。来場された方に少しでも身近な問題として捉えて頂くと同時に、我々の地道な活動を知ってもらう目的でやってみました。もちろんその後で行政や小学校の担当者に解説をしてもらいフォローをします。
全くの素人の棒読みでの寸劇が、どう感じてもらえたかは判りませんが、少なくとも我々の、訓練に対するモチベーションが少し高まった様な気がしています。
遠くない将来にやって来るであろう災害時には、私達の想像を遥かに超える混乱があるかもしれません。この地道な訓練が少しでも役立つなら、続ける意味があると信じてやって行きたいと思っています。