うれしい出来事
材木屋は材木素材をお客様に提供する事がメインの業務である事は言うまでもありません。持てる知識でお客様の要望する材を探し、アドバイスし、納品する。通常はここまででお客様との繋がりが終了します。もちろん納品後の材の状態の相談を受けたり、完成した作品や造形物や商品の完成披露のお招きを受ける事はありますが、納材後はお客様との関係は一旦終了となります。(あくまで一旦であり、その後も継続して取引させていただいているお客様は大勢いらっしゃいます。)
材木屋の手を離れた材がどのように加工され、制作されるかを知る事は多くなく、その後のお客様の苦労や努力を伺い知る事はほとんどありません。
そんな中、今回、学校の課題として大がかりな作品制作に挑んだ中学一年生とそれをサポートするご両親のお客様には、普段は知る事の余りない制作過程や、課題提出後の展示状態、またその受けた高い評価などを詳細にご連絡いただき、素材提供者としてとてもうれしい事でありました。
実は、材木に関する知識はお客様から得られることも良くあります。と言うのは実際にお客様が加工や塗装する中で、材のクセや特徴を我々に教えてくれる事があり、我々もその後の注意点とするなど新たな知識として活用しています。
今回、ラジアータパイン(NZ松)の芯持ち角を提供させて頂きましたが、加工のしやすさや、割れの入り方、ヤニの出方、塗装の種類などいろいろ参考にさせていただきました。彫刻には向いているのか、塗料のノリはどうなのかなど今後の糧となりました。
作品は大きく重量もありますので運搬などお手伝いいたしましたが、その大きさと迫力に他の生徒さん達の注目を集めていました。制作した生徒さんも大きな自信と、やりきった満足感を得られたのではないかと思います。
材木屋としてもお客様のお役に立てたのならば、この上無くうれしい事です。
※写真はいきいきとした表情を見せる生徒さんの作品 作品名 『喜怒哀楽』