今日の仕事から

この日は美大のお客様からの依頼で、『タモ』材の一枚板の製材を行うため、新木場の製材所におりました。
当初のご依頼は、表面に厚い塗装がされている『カリン』材(1,500㎜×800㎜×100㎜)の厚みを2枚に割って欲しいとのことでした。ただし、表面に厚い塗装が施されていると製材所では嫌がる場合があります。材のネジレや反りを取るために表面をサラッとナメる(薄く製材する)のですが、この時に塗料のカスが鋸刃にネバリついて後始末が大変だといいます。
そのためお客様には、表面の塗装をはがしていただくようお願いしましたが、塗装をはがすと『タモ』材であったとのことでした。塗装でカリンやコクタンなど他の材に似せて流通する商品は昔からあります。ただし、材表示がされていたり、『~風』とか、『新~』とかよく見れば本物ではないと判ります。
(碁盤、将棋盤の『新榧(カヤ)』材は『榧(カヤ)』ではなく、『スプルース』材)
製材台車にセットしたところ(塗装をはがした苦労が目に浮かびます)
『タモ材』としても中杢の素晴らしい材ではありました。わざわざ『カリン』に似せなくても堂々と『タモ』と言えばいいのにと思ってしまいます。今では『タモ』の大きな一枚板は貴重な材ではありますが、自分が問屋に居た頃はありふれた材ではありましたので塗装で『カリン風』とするのは意図が分からないこともありません。
製材は両面をサラっとナメて2枚割りして45㎜程度の厚さになりました。(なるべく厚く取るため多少の削り残しがある)

この2枚の板に別途用意したタモの80㎜×80㎜角材の脚を付けて、2台の座卓を制作されるとのことでしたが、両耳を活かした迫力のある作品になるのではないでしょうか。素晴らしい完成品の姿が目に浮かぶようです。




