付加価値
以前にもご紹介をいたしました『東京の木で家をつくる会』からのお知らせです。
ご興味のある方は、是非ともご参加されてみてはいかがでしょうか。
今回のお知らせや、7/12の『お知らせ』を見ていて、ある事が思い出されます。それは以前にあるお客様から教えられた事でもあります。
その方は品物を購入する時には、あるこだわりがあり、それは『物語性』を求めたいという事でした。
その方は『ステッキ』の材料を探されていたのですが、『紫檀』、『黒檀』、『鉄刀木(タガヤサン)』、『ローズウッド』、『花梨』など強度もあり見た目も美しい色の材をお出しするも、あまり興味を引かれない様でした。
色々な材を出していく中で、古い『真樺(マカバ)』材が出てきます。大きな『ギラ(縄目)』が目立つ赤身材でした。カバ類の『ギラ』は一般的には敬遠されます。ただこの材は亡き父が『ギラ』の目立つ材を探されていたお客様のために、地方まで行って苦労して探してきた材の残りである事をお伝えすると、興味をもたれた様で、産地や特徴などいろいろと聞かれました。
最終的にお客様はその『ギラ』のマカバ材を購入されました。お客様はその材がどの様な経緯をたどりここにあり、またその材に関わった人(父やギラを探したお客様)や、その材で出来た家具などを想像したのだろうと思います。その材の持つストーリーに、より愛着を持たせるための要素を見出したのではないかと思っています。
素性の分からない材よりも、材の履歴や経緯が分かる事に価値を見出す。こういう考え方もあるのだなと教えられた気がしました。
『東京の木で家をつくる会』の活動にも、様々な『ストーリー』を付加した材を我々に提供してくれているのだと考えると、新たな価値が見えてきませんか?