三代目の重みと軽さ(お知らせあり)
早いもので、父が亡くなり自分が三代目となって七年が経ちました。三代目というと最近では「J Soul Brothers」の知名度が圧倒的でしょうか。私の中では「三代目は身上を潰す」とか「三代続けば江戸っ子」のほうがしっくりきます。
江戸っ子と言えば祖父が新潟から出てきて、当地で昭和九年に店を開いて私が三代目なので江戸っ子と言っても良いのか、それとも生まれで三代だとすれば、私の息子が江戸っ子になるのかはっきりしませんが、いずれにしても江戸っ子というものがあまりピンと来ず、どちらかと言えば「東京人」の方がスマートな言われ方なのかもしれません。
祖父が材木屋として働いている時代は直接は知りませんが、父や祖父から聞いた話では自転車に側車(サイドカー)を付け、早朝の深川にほぼ毎日通っていたという事。目黒から深川までは直線距離でも12~13キロありますし、材木を積んで戻って来るのはとても大変な事だと思います。(問屋のトラックに自転車ごと積んで戻って来る事もあったとの事)
余談になりますが、私が問屋さんの年配の方から聞いた話ですが、その方が住み込みの若手の頃、早朝に林場で物音がするので泥棒かと思い、問屋の上司に知らせに行くと祖父が材木を動かしており、その人は問題ないと言われたという笑い話の様なエピソードを聞かせてくれました。働き者の祖父の一面を伺い知れた一件でした。
働き者で店を切り盛りした初代の祖父、多彩なお客様との縁を大事にし客層を広げた博識の二代目の父。私はと言えば「三代目は身上を潰す」事の無いように何とか必死にお客様の信頼を損ねる事の無い様に毎日を過ごしております。 そういえば「三代続けば末代続く」ということわざもありますね。そうなる様に頑張る所存です。
※ 写真は祖父が聞いていた真空管ラジオ(まだ現役です)
※お知らせ
第66回 日本伝統工芸展の開催のお知らせ
9月18日(水)~30日(月) 日本橋三越本店 本館7階催物会場 入場無料 午前10時~午後7時 最終日は午後6時閉場
ギャラリートーク 木竹工 諸山正則氏(工芸史家) 9月25日(水)午後0時30分から本館7階会場にて (他分野は別日)
(陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸、の卓越した技術をご覧になる事ができます。是非お足運びください。)