環境の等価交換

材木屋の日常の仕事の中で、配達やお客様廻りなどで、トラックや乗用車を運転する機会はとても多く、トラックのオドメーターは20年間で20万キロ以上を表示しています。国産車の耐久性、信頼性には本当に感心します。内装や外観はさすがに年月を感じさせますが、走行フィーリングは20万キロを走ったとは感じさせない程です。
都内の道路もあちこち走り回りカーナビが無くとも困る事はありません。元々、ハンドルを握る事は苦ではなく、逆にストレス解消になると感じる程です。それでも初めて訪れる場所に行く時には、地図やグーグルストリートビューで下調べをして、如何に道に迷わずにスムーズに行けるか楽しみ半分、ドキドキ半分といった感じで、なるべく運転を苦役にならない様にしています。(もちろん安全運転を心がけております。)
ところで、オリンピック開催までに都内周辺の道路の新規開通や道路整備などが進み、運転する立場からは新たな走行経路を考えたり、アクセスが良くなったりで運転する楽しみが増え、これはこれでいい事だなと感じています。ただ、道路周辺に住む方の立場としては、色々な問題があるのかなと考える事があります。というのも当店のすぐ脇に、開通予定の都道の工事が進んでいるからです。
都道420号(鮫洲~大山線)開通に向け、都市計画道路補助26号線が、当中央町一丁目町会をほぼ二分する形で計画、施工され、当町会周辺はもうすぐ完成の予定です。元々、この道路は東京港と旧陸軍駒沢練兵場(現在の陸自三宿駐屯地、自衛隊中央病院)を結ぶ輸送路として計画されたと聞いています。山手通り(環六)と環七の中間に位置し、環六半といった位置付けです。
湾岸地域へのアクセスが良くなる事はメリットです。他にも類焼防止ゾーンとしての考えもあると思います。一方デメリットとしては地域の環境の変化があります。立ち退きによって古くからの住民の転出、交通量の増加による安全と騒音への懸念など、どうなって行くのか予想も付きません。
快適な環境を得る事によって、それによってもたらされる副作用を受け入れる事。これは現代の「等価交換の法則」と言えるのかもしれません。
※ 当店付近から見た南側(品川区方面)の写真(上) と 北側(世田谷区方面)の写真(下)