工芸素材としての材木

工芸素材としての材木

工芸品や美術作品を作り上げる時、素材の選択は多岐にわたり、作品の完成度に大きな影響を及ぼします。
土や石、植物や動物などの自然素材、金属やガラス、樹脂や繊維などの人工素材と多くの種類がある中で、植物の一種である「木」も重要な素材の一つとして用いられてきました。

正倉院の御物に見られる様々な素材のなかでも材木素材は多種見られます。
黒柿(表題の写真)や桑、ケヤキ、などの国産材や紫檀、黒檀、花梨、白檀などの外国産材など、古来より材木の持つ様々な色調や多彩な木目が装飾的に重要な要素だという事が分かりますし、貴重な素材であったと推察されます。

材木の様々な杢も作品の価値を高める事に一役かっています。

バーズアイメープル
バーズアイメープルは独特な表情を見せ、装飾的にも優れた材であると言えます。美しい見た目は飽きが来ません。

一般の材木の中にも面白い杢を見つける事があります。

ウォルナットの杢
ウォルナットの杢です。表面を仕上げるとチジミ模様が特徴的な見た目になって、杢のあるとなしでは大きな違いが生まれます。

材木には表面の杢以外にも、特殊な形状であったり、様々な変わった見た目の特徴を持つ材があり、それぞれ独特の価値を生み出しています。今後出来るだけ御紹介していきたいと思っています。 申し遅れました、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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