きになる問いに答えます

きになる問いに答えます

材木業を永くやっておりますと、我々には当たり前の事でも、一般のお客様にすれば、よく判らない、聞きにくい事も多々ある様に思います。

常々、お客様のご質問には出来るだけ分かりやすく答えているつもりですが、正確に伝わっただろうかと後から自問する事もよくあります。

そこで、よくお客様に聞かれる事柄を、今一度判りやすく説明したいと思います。

◎ 「材木の値段はどう決めているのか?」

多くの材木は材積(長さ×幅×厚さ)に単位体積当たりの単価(㎥単価:立米単価)を掛けて金額を算出しています。(単価は樹種やサイズにより違います。)

例えばセンの板目材、サイズ2,300×150×20㎜の場合、メートルの単位で計算して 2.3m×0.15m×0.02m=0.0069㎥となり(小数点以下4桁まで算出)、これに㎥単価 306,000/㎥を掛けて¥2,111となります。

材積から算出する方法以外にも、目方(重量)で取引される材(柘植、白檀、紅木紫檀など)や、桐の柾目の三分板等の薄材は、糸検と呼ばれる方法で面積で取引されます。また、例外として銘木として扱われる材はその特殊性(特異なサイズや形状、貴重な杢、希少性、使われる特別な用途など)により、相対的に個々に価格が決められます。

※ 上の写真は柘植材に彫られた大黒天と恵比寿像

◎ 「同じ山の木でも種類によって価格が違うのはなぜ?」

これもよく聞かれますが、正直、返答に困ってしまいます。例えば同じ条件のケヤキとブナではその価格は大きな差が付きます。これは、その材木の市場に於ける評価(需要、木目、加工性、使用用途など)によって決まります。判りやすく魚で例えれば、同じ網にかかったタイとアジの価格差と言えばご理解いただけますでしょうか。

※ 下はケヤキの糠目材に彫られた獅子の木鼻きになる問いに答えます
◎ 「一般の人でも一枚から買えるのか?」

よく問い合わせがありますが、もちろん一般の方にも販売しておりますし、一枚からでも歓迎です。どうも材木屋は入りにくいのか、印象が良くないのか、我々の課題です。カットや各種の加工やご相談にも乗ります。最近はコロナ禍のせいなのか、個人でウッドワークされる方の注文が増える傾向です。どうぞ気軽にお問合せ頂いたり、ご来店頂ければと思います。(お出でになられる時はご連絡を頂けると助かります。配達等で不在の時があります。)

材木は家具や、建築材として身近な存在ではありますが、より親しまれる様に努めたいと思っています。もし、木になる事がありましたら木軽にお問合せ下さい。

※ 用語解説
糸検(いとけん): 桐の耳付き柾目薄材などに用いられる糸を使った延べ幅の計測方法
糠目(ぬかめ) : 非常に木目の細かい材、細工物に重宝される
木鼻(きばな) : 社寺建築に見られる柱を装飾する動物や草花などをモチーフにした彫刻

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