きになる問いに答えます(その2)
まだまだ暑い日が続き、外出時のマスクも息苦しさを覚えます。夜間も気温が高く、向かいの緑地公園では一晩中セミの鳴き声が聞こえる日もあります。これが秋の虫の音に変わるまで、いましばらく我慢の日々です。
このコロナ禍により、多くの方が自宅で過ごす時間が増えたせいか、個人でワークデスクなどを作るなどの、ウッドワークをされる方の注文や相談が増えています。相談は様々で、材の種類や、用途に適しているか、予算に収まるか、部屋の雰囲気に合う材か、など色々です。
これから購入や木工を考えている方のヒントになればと、よく聞かれる事柄をご説明したいと思います。
◎ 針葉樹と広葉樹の用途の違いは?
針葉樹(soft-wood)と広葉樹(hard-wood)の違いですが、針葉樹材の主な用途としては、スギやヒノキ、ツガ、マツ、ヒバなど、建築構造材や造作材として利用されます。通直で長尺の材や、幅広材が安定的に供給され、価格も比較的安価です。もちろん家具や工芸品などにも利用され、日本では昔から針葉樹材が広く多用途に利用されて来ました。また全国各地に秋田杉や木曽檜などの、ブランド杉やブランド檜があり、その品質の高さで名声を高めています。
広葉樹材は、ケヤキの大黒柱やクリの土台角材などの建築材もありますが少数派です。他の広葉樹も含め「雑木(ぞうき)」と呼ばれ、広く一般的に使われ出した歴史も浅く、当店の様な広葉樹専門店は「雑木屋」、「堅木屋」と呼ばれます。(イメージ的に「雑木」より「堅木」でお願い申し上げます m(_ _)m )
広葉樹材はその強度や、様々な木目や色合いなどで家屋の内装材や造作材、また家具や器具、工芸品など様々な用途に利用され、特に脚物家具には、その強度を利用した名作椅子が様々作られ、デザイン的にも幅が広がりました。
以上、大まかに説明しましたが、針葉樹でも広葉樹でも用途、予算、好みに合えばどちらでもいいと思います。迷ったらご相談下さい。
※ 上の写真は杉の仁王面(阿形):焼杉のうづくり仕上げ
◎ 家具(椅子や机など)を作りたいが材料の注文はどうすればいいの?
例えば写真の様なスツールを作りたい場合、材料はどう注文すればいいかとよく聞かれます。その場合にはスツールの部材サイズをお伝え下さい。例を下記に説明します。(数字は仕上がりサイズ)
座面 - 270×130×16㎜=2
脚 - 400×35×35㎜=4
幕板 - 220×50×16㎜=4
貫 - 255×33×16㎜=2
繋ぎ貫- 240×40×16㎜=1
写真のスツールの見積もりとしては、ブナ片耳材(ホワイトビーチ)ならば、
t27 × 150 × 1,800㎜ = 1枚 ¥2,000(税別)、45 × 45 × 450㎜ = 4本 ¥1,000(税別) 概算¥3,000(税別)となります。
同様にタモ材ならば、概算¥4,500(税別)、ナラ材ならば、概算¥5,500(税別)となります。(ただし、削り加工は別途です)
材によっては角材や薄材の規格が無かったり、在庫が無い場合がありますので、その時の状況で見積もりは変わります。
木工作に興味の有る方は、ツーバイ材などの手頃な価格の材から始めるのもいいかもしれません。材木は色合い、木目、香りなど多様な材がありますから、多くの材を使って、比べてみるのも面白いと思います。
※ 写真のスツールは、私が中3の技術家庭の授業で作ったラワン材(ホワイトセラヤ)のスツール。見た目は粗いですが、現在もとても重宝してます。